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「環境」のために

電子楽器をはじめとした当社の製品は総じて使用時の消費電力は大きくありませんが、その中においても製品の特性を活かした改善に継続的に取り組んでおり、野外などでもライブ・パフォーマンスができる乾電池駆動アンプなど、省電力の製品も取り揃えています。今後も、市場・顧客拡大による事業成長を目指しつつ、製品の長寿命化や廃棄物削減に努め、製品の販売・売上高あたりの環境負荷低減を実現していきます。

また自社工場の製造においては大量の電力を必要としない組立工程が中心であり、有害物質の排出は最低限で適切に管理されていますが、サプライチェーン全体に目を向けた場合に、部材の調達や輸送の領域ではまだ取り組むべき課題があると認識しています。特に、気候変動問題に対しては、自社の活動範囲を超えたCO2排出量削減や再生可能エネルギー活用を着実に進めていきます。

気候変動問題への対応

ローランドは、地球温暖化に伴う異常気象や災害の発生などの現象は、経済的損失につながるだけでなく、人類の文化的な営みや生活様態にまで深刻な影響を与える可能性があることを認識しています。

人々が安心して暮らし、音楽・映像をはじめとした芸術文化が育まれる社会環境を維持するために、CO2排出量削減につながる貢献策や事業活動の効率化に取り組んでいます。

また、気候変動によって生じる、当社事業に対するリスクや機会を適切に評価し対応を進め、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)のフレームワークに沿って、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」の4つの観点から、その状況を開示していきます。

製品輸送の効率化

積載率向上による省エネ・CO2排出量削減

製品設計において、梱包寸法も環境に大きく影響を及ぼします。限られたコンテナ内に、箱寸法、強度、コストのバランスを考え、積載率がもっともよい梱包寸法となるように設計しています。積載率をあげることで、トータルでのコンテナやトラック便の使用本数の削減をすすめ、CO2排出量の削減に努めています。

※積載効率25%向上の改善例

これらの見直しは、新規設計のみならず、流通している製品についても行い、継続的なCO2削減活動を行っています。

物流ハブ倉庫の最適化によるCO2排出量削減

北米・欧州・アジアの主要市場の中心に位置するマレーシアに2015年以降、物流ハブ倉庫を移転・集約しました。これにより、当社グループにとっての主要市場である欧州向けの輸送リードタイムと輸送距離を大幅に短縮し、全体としても効率化を実現しました。そのほか、他社との共同輸送など、さまざまなCO2削減につながる施策を検討し、対応を進めています。

<物流ハブ倉庫集約による輸送リードタイムの変化>
物流ハブ倉庫集約による輸送リードタイムの変化

再生可能エネルギー拡大への貢献

脱炭素社会に向けた貢献を目指し、日本国内の主要拠点である静岡県浜松市にある全事業所、および主要生産拠点であるマレーシアと中国の自社工場で使用する電力量に相当する環境価値(非化石証書)を市場より購入しています。これにより使用電力の生成過程で発生するCO2排出量を実質ゼロにしています。

当社グループは、これらの環境価値への投資を通じた取引市場の活性化をはじめ、再生可能エネルギー拡大に貢献できる取り組みを、今後も引き続き検討・実行していきます。

省電力製品の開発

環境保全活動の一環として、限りあるエネルギー資源を有効活用するために、環境負荷を低減するモノづくりを推進しています。

環境にやさしい省エネ設計

当社製品では、楽器の高い演奏性能はそのままに、電子楽器の特性を活かし、省エネに配慮された設計を採用しています。

  • 独自開発の高効率の電源回路や高効率のスピーカーを採用することで、消費電力を抑えながら迫力のあるサウンドを実現
  • 演奏や操作をやめてから一定時間経過すると自動的に電源が切れるAuto Off 機能を搭載し、使用しないときの消費電力を抑制
  • 鍵盤蓋の開閉で自動的に電源がON/OFFする機能を搭載、電源の切り忘れを防止
    ※電子ピアノ「GPシリーズ」、「LXシリーズ」、「HPシリーズ」
環境負荷の少ない充電池への対応

当社シンセサイザーやアンプの一部製品では、独自開発の高効率回路により消費電力を大幅に減少させ、繰り返し利用できる充電式電池駆動を可能にしています。

  • ACアダプターとバッテリー駆動の2電源方式のどちらでも、迫力のあるサウンドを実現
  • バッテリーの消耗を抑え、さらに長時間の使用が可能な「ECOモード」を搭載
    ※「Cube Streetシリーズ」

今後もこのような省電力技術や電池駆動技術など、限りあるエネルギー資源を有効活用するための技術を開発し、より多くの製品に搭載することで、地球環境にやさしい電子楽器メーカーを目指します。

省資源と廃棄削減

電子楽器をはじめとした当社製品は、その製造工程も含め、天然資源や有害物質の使用は多くありませんが、その中においても紙資源の使用量削減や廃棄物削減など、環境負荷低減につながる活動を行っています。
今後も、設計領域からさまざまな見直しを進め、販売の拡大を図りつつも、販売・売上高あたりの資源消費や廃棄物の削減に取り組んでいきます。

製品の長寿命化

ローランドでは、1つの製品が市場から長く支持され、またお客様にご購入製品を長く愛用いただくために、プロダクト・ライフサイクルの延長に取り組んでいます。これにより、お客様による製品廃棄を減らすだけでなく、その安定した市場の需要から、製造から販売までの供給プロセスにおける製品・部材の廃棄削減にもつながります。
「お客様」にむけて>「製品の長寿命化」はこちら

製商品数と在庫の削減

調達から販売までのサプライチェーン全体における製商品別のコストと収益の見える化を推進しています。そのデータ分析から、収益総額に対し製造・販売・在庫管理などに掛かるコストや工数などの効率を総合して、製商品の製造・販売の継続/中止を判断しています。これにより、事業効率が上がるだけでなく、需要が安定しにくい少量販売品の取扱を中止することで製品・部材の在庫適正化につながるため、製商品数の削減に継続的に取り組んでいます。

また在庫拠点別の在庫回転率による滞留在庫管理や在庫削減に長年取り組んでおり、グローバルでの製造・販売・在庫の実績データの早期取得・精度向上、さらには需要予測精度の向上と柔軟なオペレーションにより、サプライチェーン・マネジメントを年々レベルアップさせています。

これらの活動は、販売・売上高あたりの事業効率向上と廃棄削減に繋がり、収益力強化だけでなく環境負荷低減にも貢献できるため、今後も日々改善を重ねながら着実に取り組んでいきます。

取扱説明書の電子化

製品のバージョン・アップに合わせて最新の取扱説明書を提供したり、知りたいことが簡単に検索できたりするなど、お客様の利便性向上を目的として取扱説明書の電子化を進めてきました。取扱説明書の電子化を進めることで、紙冊子のページ数削減または同梱を廃止し、紙資源の使用量と梱包重量の削減につなげています。

新製品では、従来PDF形式だった電子マニュアルのHTML化(Webページ化)に取り組んでいます。これにより、音声読み上げソフトウェアでの文章認識の精度が上がり、視覚障害のある方にとっての利便性が向上するメリットもあります。また、Webブラウザーからの検索性が上がり、お客様が知りたい情報に素早くアクセスすることも可能になります。今後も取扱説明書の電子化を進め、さらなる紙資源の使用量削減を目指します。製品の長寿命化の取り組みと併せ、お客様に長く当社製品をご愛用いただくための活動を推進していきます。

※シンセサイザーの取扱説明書(上:一世代前 338ページ/下:現行機種 23ページ)
例)シンセサイザーの取扱説明書(一世代前 338ページ → 現行機種 23ページ)
<HTML化された取扱説明書>
HTML化された取扱説明書
※取扱説明書はこちらからご覧いただけます。

製品の環境対応

当社製品においては、各国の関連する化学物質の法規及び消費電力や電源効率の規制を遵守しています。

化学物質の関連法規

RoHS指令、REACH規則、独化学品禁止規則、化学物質規制法(オランダ)、包装材重金属規制、中国版RoHS、独ダイオキシン法令、化審法、安衛法、独日用品規制、オゾン層保護法、モントリオール議定書、原子炉等規制法、DMF規制、建築基準法、PFOS規制、有害物質規制法

消費電力及び電源効率

ErP指令、DoE、CEC、NRCan

Sustainability

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